ソフトテニスの前衛の駆け引きについて解説
目次
はじめに
私はソフトテニスで前衛をしていました。インターハイには出れませんでしたが、たまにインターハイに出場した選手に勝つこともありました。
そんな私の前衛の駆け引き理論について解説していこうと思います。
前衛で駆け引きが苦手な方や、前衛の考え方について知りたい後衛の方の参考になればと思います。
駆け引きのポイント
相手後衛の分析
後衛には、相手前衛の動きを見てコースを変えて打てる人と自分が決めたコースにしか打てない人がいます。
まずは、相手後衛が前衛の動きを見てコースを変えられるタイプかどうかを見極めます。(レベルの高い大会であれば、後衛のレベルも高いので前衛の動きをみてコースを変えられる後衛が多いと思います)
見極め方としては、トーナメントであれば事前に相手後衛の確認ができるので、その試合の様子を見て参考にします。(前衛の動きに対して柔軟に対応していれば、コースを変えられるタイプ)
しかし、初戦で当たるデータのない後衛に対してはそれでは判断できません。
その場合の判断方法としては、第1ゲームが肝心です。
第1ゲームでポーチボレーに積極的に出て、「何本抜かれた」「何本ロブでかわされた」等で推測します。
例えば1ポイント目にポーチボレーに出て抜かれた場合を想定すると、「牽制のために抜きにきた」または「動きをみて抜きにきた」のどちらか判断はつきません。
そのため、次のポイントもポーチに出て見極めを進める必要があります。
次のポイントでポーチボレーに出てポーチボレーが決めれた場合は相手後衛は決めたコースにしか打てない後衛の可能性が高いです。逆に抜かれたり、ロブでかわされた場合は相手後衛はコースを変えられるタイプの可能性が高いです。
これは、第1ポイント目で前衛を抜いているので、2本連続抜きにくる可能性が低い中で抜きにきた、またはポーチボレーを警戒して無理に打ち合わずにロブでかわした等の選択を相手後衛がしたと考えられるからです。
決めたコースに打つ後衛の場合
相手が打てるコースを絞って追い詰める方法で対応します。
ソフトテニスで後衛がとる行動として、シュートボールかロブ(または中ロブ)をクロス(逆クロス)、ミドル、ストレートに打つことになります。
そのため、ポジションに立てていたら6分の1の狙い位置を予想する必要があります。(クロス展開の場合、クロスのシュート、クロスのロブ、ミドルのシュート、ミドルのロブ、ストレートのシュート、ストレートのロブの六通り)
ただ、現実的に打たれるコースとしては、クロスのシュート、ストレートのシュート、すストレートロブの3つです。(ここでミドルのシュートを打ってくる後衛は懐の深い展開ができるので注意が必要です)
この3つの選択肢に対して予想して動いてプレッシャーをかける組み立てができれば、相手はお手上げ状態になります。
プレッシャーのかけ方
以下の3ステップで対応します。
1、積極的に動いてポーチボレーに出る印象をつける
2、頃合いをみて守りのボレーを決める
3、シュートを打つのに戸惑い、ロブに逃げたところのスマッシュを狙う
1について
クロス展開においては、クロスのシュート、ストレートのシュート、ストレートのロブが基本的な選択肢ですが、その中でも経験則的にクロスのシュートの割合が高いので、序盤は積極的にポーチボレーに出ます。
2について
積極的にポーチボレーに出て何ポイントか取って、相手が牽制で抜きにくるようになるので、頃合いをみて守りのボレーを決めます。
ポーチボレーに出て、ストレートのシュートを打たれたら、次のポイントをどうするかですが、こちらについてもポーチボレーに出ます。
なぜなら、相手後衛は打つコースを決めて打っているため、通常は打たないストレートに二回連続打つ可能性は低いからです。
3について
ポーチボレーと守りのボレーの両方を取れると、相手後衛は迷ってロブに逃げる可能性が高いので、そこをスマッシュで狙いにいきます。
コースを変えられる後衛の場合
モーションを活用して惑わせる方法を活用します。
決めたコースを打つ後衛への対処と比べて、ポーチボレーに出る比率を下げて、誘って守りのボレーをする比率を上げます。
プレッシャーのかけ方
以下の3ステップで対応します。
1、積極的にポーチボレーを仕掛けて出る前衛だという印象をつける
2、モーションで誘って守りのボレーを決める
3、シュートを打つのに戸惑い、ロブに逃げたところのスマッシュを狙う
打つコースを決めて打つ後衛と基本には近い形になりますが、こちらについては、序盤はポーチボレーに出て抜かれる可能性が高いため、マイナススタートになります。
マイナスになった後で、相手を上手く誘ってポイントを取り返していく形になります。
抜かれるのをおそれて消極的になると、上手い後衛が相手の場合、やられたい放題になるので、序盤でリスクを負ってでも何かしてくる前衛かもという印象を付けておく必要があります。
おわりに
私が考える前衛の駆け引きの方法論について述べました。
もちろん相手も様々な考え方で対応してくるため、さらに上手なプレイヤーだったりすると厳しい展開になります。
そういった相手をどうやって困らせるかを考えるのがソフトテニスの楽しいところでもあるので、いろいろ試行錯誤しながら駆け引きを楽しんでプレースタイルを作っていってください。